大豆たん白健康情報センター

大豆たん白とは?

設立記念メディアワークショップ開く

 フジプロテインテクノロジー株式会社は、不二製油株式会社、プロテインテクノロジーズインターナショナル(PTI)、財団法人不二たん白質研究振興財団の協力をうけ、本年5月「大豆たん白健康情報センター」を設立しました。5月9日、同センター主催のもとジャーナリストを対象とした設立記念メディアワークショップ「肥満・生活習慣病と大豆たん白」が東京で開催され、PTIのA.B.クラーク社長、不二製油(株)新素材研究所の高松清治医学博士、タニタ体重科学研究所所長の池田義雄医学博士が大豆たん白のさまざまな側面について講演しました。

米国の大豆たん白市場拡大へ2005年には60億ドル規模

PTIのA.B.クラーク社長は以下のように米国大豆たん白市場の拡大について説明しました。

 1999年10月にFDA(米国食品医薬品局)が大豆たん白を含む食品に健康表示を認め、2000年3月に農務省が学校給食における大豆たん白の使用制限を解除、同年11月に米国心臓協会は、毎日の食事に大豆たん白を取り入れることを公式に奨励しました。大豆食品の市場も拡大を続けています。2000年の市場規模は25億ドルですが、5年後には60億ドルに達する見込みです。
 大手食品会社の市場参入も相次ぎ、たとえば、ケロッグが大豆ベースのハンバーグやソーセージの大手メーカー、ワージントンフーズを買収し、ハインツは、大手豆乳会社ウェストブレイのは、大手豆乳会社ウェストブレイの親会社ヘインフーズの株を取得しました。また、大手乳業メーカーのディーンフーズは、豆腐と豆乳メーカーであるホワイトウェーブに投資、米国最大手の乳業メーカーであるスイザフーズは、豆乳市場に参入すると発表しました。今年1月には、シリアルの最大手ゼネラルミルズが、女性向けの大豆たん白を含むシリアル「ハーモニー」を発売し、英国では、3月に大手スーパーのマークス・アンド・スペンサーが20品目に及ぶシリーズを発表したばかりです。
 現在米国では自然食品店から量販店へ大豆食品の流通経路が広がり、60%弱はスーパーで売られるようになりました。4000万人が利用するともいわれる大豆食品は、米国の食卓に浸透してきているといえるでしょう。

特定保険食品として次々に製品化

不二製油(株)の高松博士は以下のように大豆たん白の健康効果について説明しました。

 大豆たん白は、血中のコレステロールを調節する作用、肥満を抑制する作用など、脂質代謝に対する機能が非常に強いのが特長です。米国での研究によると、大豆たん白を摂取することで、血中総コレステロール、LDLコレステロールが低下し、HDLコレステロールはほとんど変化がないか、少し上がり、中性脂肪も下がることが認められました。いわゆる動脈硬化変成を防止し、血液の流れを良くすることがわかってきました。また、大豆に含まれるイソフラボンや、他の成分との相乗作用などから、大豆たん白には骨粗鬆症を予防したり、更年期障害を軽減させる機能もあることが米国やイタリアの研究データで示されています。
 日本では、特定保健用食品として、1993年に大豆たん白のから揚げが初めて認可されました。その後、ヨーグルトタイプや豆乳タイプのものがいろいろ出てきていますが、アメリカとは違って、だいたい1日あたり6〜9gの摂取でコレステロール低減効果が出るという臨床データが示されています。

研究進む大豆たん白の健康効果「大豆たん白と肥満」、池田博士が講演

池田博士が講演

ご自身でも大豆製品を愛用しているという池田義雄先生

 今世紀の日本人の健康づくりを提起した「健康日本21」でも展開されているように、これからのわが国の健康問題は、生活習慣病を予防することが主眼となっていくことは間違いないと思われます。生活習慣病の発症に大きく係わっているのは遺伝ですが、それとほぼ同等の係わりをもっていると見られているのが生活習慣、つまり、ライフスタイルです。そして、生活習慣の中で最も問題となってくるのが、やはり食生活特に食べ過ぎからもたらされる肥満ということになります。
 肥満がなぜ起こるかを生理学的に見てみますと、一つはレプチンというホルモンの効きが悪いということが挙げられます。レプチンは脂肪細胞から分泌される、やせを促すホルモンです。もう一つは遺伝的に、脂肪を分解するのに必要なホルモン・アドレナリンを受けとめる受容体に異常がある人、ということができるかと思います。 肥満を予防するには食生活をコントロールして食べ過ぎないようにして、運動を習慣化することが大事です。そういったことはほとんどの方がわかっているはずですが、いざ実行となるとなかなかできない、というのが実態かと思います。

肥満ラットを使って比較実験

 そこで単一の食品で減量を促進させることはできないか、という研究が盛んに行われてきました。その一つが大豆たん白で、最近研究者たちの関心を最も集めている成分といえるでしょう。
 我々はまず肥満ラットを使って、大豆たん白とカゼインたん白の比較実験を行いました。普通食の3割減の低エネルギー食に大豆たん白を与えたラットのグループは、カゼインを投与したグループより体重が減っただけでなく、血糖値が下がったり、脂質のレベルが改善されたり、インスリンの感受性が高まったりと、諸所の改善が見られました。これは脂肪細胞そのものの大きさが小さくなったためと思われます。

人間への応用は?

 こういったことが人にも当てはまらないかと、BMI(ボディ・マス・インデックス)指数が25以上の肥満と定義される人たちを対象に実験を行いました。一つのグループには大豆たん白を、もう一つのグループにはカゼインたん白を与え、両者とも総摂取エネルギー量は1000kcalぐらいの低エネルギー食にしてあります。
 両方とも体重は減りました。対照群より大豆たん白グループのほうが若干減りがよいという傾向がありましたが、有意差はありませんでした。基礎代謝は大豆たん白のほうが減りにくいこともわかりました。
 ということで、結論としては、大豆たん白のような単一の食品素材で、肥満の予防・改善を実証するのはなかなか難しい、ということになりました。人は動物と比べて、生活も食生活も多様ですから、そう簡単には明確な結果が出ないのは当然かもしれません。

大豆たん白に加え他の成分も

 いずれにしても、私は、大豆製品の有用性を否定するわけではありません。現に今朝も、納豆をケロッグの小麦ふすまフレークと一緒に食べてきましたし、そのときかけたのは豆乳で、大豆製品は毎日せっせととっています。「健康日本21」でも1日に30品目以上の食品をとろうと提唱されているように、いろいろなかたちで大豆を積極的にとることで、大豆たん白のみならず、食物繊維や糖、微量有効成分なども摂取できるわけで、大豆がもつ多面的な健康増進作用を活用することが期待できるのではないでしょうか。

池田義雄先生ご略歴

タニタ体重科学研究所所長。医学博士。
1961年東京慈恵医科大学卒業。
2000年、同大健康医学センター健康医学科教授を退任したのち現職。
日本肥満学会、日本糖尿病眼学会などの理事の他、多くの政府審議会の委員もつとめていらっしゃいます。