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大豆たん白活用術 先生にインタビュー

このコーナーでは、毎回、各方面でご活躍中の栄養士の先生などにインタビューし、大豆たん白をどのように取り入れているか、大豆たん白のメリットを最大限に生かすコツやアイデアを紹介します。

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「栄養管理でここまでできる。病院管理栄養士の役割」その3

岡本康子先生(県西部浜松医療センター 栄養管理室/管理栄養士)

 今回は静岡県にある県西部浜松医療センターで、病院管理栄養士をされている岡本康子先生にお話をうかがいました。
 県西部浜松医療センターは、静岡県西部の中核となっている病床606床、診療科30科以上の大規模な病院です。同院の栄養管理室では総勢7名の管理栄養士が、入院患者一人ひとりの状態に合わせた、きめこまやかな栄養管理を行っています。岡本先生は、医師や看護師、薬剤師らとの連携をはかりながら、PHSを片手に院内をかけまわる日々だそうです。
※インタビューの内容は3回にわけて、掲載します。

自らも実感した大豆たん白のコレステロール低下作用。

大豆たん白のコレステロール低下作用に注目。

岡本康子先生(県西部浜松医療センター 栄養管理室/管理栄養士)

 岡本先生が大豆たん白についてとくに注目しているのは、血中のコレステロール値を下げる効果。大豆たん白は、その分解により生じる大豆ペプチドや、食物繊維、植物に含まれるステロールが腸管におけるコレステロールの吸収を抑えることが報告されています。

 さらに大豆ペプチドや食物繊維は、胆汁酸の再吸収をも抑えること、つまり肝臓のコレステロールプールを小さくし、血液中のLDL濃度を低下させることが期待されています。岡本先生は、以前の勤務先で、肥満治療で入院していた患者さんに、大豆たん白の粉末でできたダイエット用の栄養食品を利用したところ、それまで高かったコレステロール値が下がったという経験もあるそうです。

「ダイエット食品は原材料に大豆たん白が使われていますから、おそらくその効果だと。大豆たん白は栄養剤としても役に立つと思いました」と岡本先生。

 実は岡本先生、個人的にも大豆たん白の効果を実感しています。
「私自身、コレステロール値が少し高くなった時期があって……。夕食を豆腐や納豆など大豆食品中心の食事に切り替えました。そうしたら、半年後の検査ではコレステロール値が下がっていて。だから大豆たん白のよさは実体験済み。
 このほか大豆中のフラボノイドはイソフラボンで、ダイゼイン、ゲニスチンなど15種類ほどが知られており、コレステロール低下作用に加え、骨粗鬆症予防やがんの予防効果なども期待されています。患者さんに栄養指導をするときも、1日1回は大豆食品を食べましょうとお話しています。
 またこの時期は湯豆腐がおいしい季節。豆乳を鍋に入れ、豆腐を入れ、加熱することで湯葉も味わえます。大豆のまろやかさが何倍も味わえる岡本流鍋です、春菊などいれてもよいですね。大豆たん白のおいしさをご家庭でもお試しください。」

腎機能を考慮した食事にも大豆食品を。

 このほか岡本先生は、「良質なたん白質を少量とりたい人にも、大豆食品は有効」と評価しています。
豆腐などの大豆食品は、肉や魚と同じ量をとった場合、たん白質量を抑えつつ良質のたん白質がとれるため、血液検査でもたん白質に関連した数値が下がるそうです。そのため、腎症などでたん白質の摂取制限がある人には、大豆食品は都合がよいのだとか。 もちろんこれは腎症の人だけでなく、一般の人にも当てはまる話。

「とくに高齢の方ですね。年をとると、大部分の人は腎臓の機能が低下してきます。高たん白食になりすぎないよう、良質なたん白源である大豆食品をしっかりとって、その分、肉や魚を半分の量にし、たん白量を調整するといいと思います」

次の目標は地元医療機関への啓発活動。

岡本康子先生(県西部浜松医療センター 栄養管理室/管理栄養士)

 最後に、今後の目標について岡本先生にたずねると、「この10年で院内の栄養管理システムはだいたい整いました。次は院外です」と、意欲的なことばが返ってきました。県西部浜松医療センターは、急性期の患者さんが中心。病状が落ち着いたら、ほかの医療機関へ転院していく患者さんもたくさんいます。今後はこのような地元の医療機関に対して、栄養剤に関する知識などを広め、連携を深めていきたいそうです。

「栄養剤を何種類もそろえて、患者さんごとに使い分けている病院は、まだまだ少ないのが現状です。でも患者さんが病院を移っても、一貫した栄養管理が受けられるようにするには、うちだけ一人歩きしていてもしょうがない。医療機関側で意思統一し、足並みを揃えることが必要なんです。うちでやっていることを積極的にお話して、参考にしてもらえれば」と岡本先生。

 すでに岡本先生ら管理栄養士をはじめ、同院の医師も加わったプロジェクトチームが結成され、地域の医療関係者が参加できる勉強会もスタートしています。

 岡本先生たちの忙しい日々はまだまだ続きそうです。

岡本 康子 (おかもと やすこ) プロフィール

岡本康子先生(県西部浜松医療センター 栄養管理室/管理栄養士)

管理栄養士。
県西部浜松医療センター 栄養管理室 室長
NST専門栄養士 病態栄養専門師  健康運動指導士
浜松医科大学大学院医学系研究科 社会人博士課程在学中

臨床栄養士の第一人者として全国での講演活動を行うとともに、地域医療機関との連携をめざした栄養管理に取組んでいる。著書に、『よくわかりすぐ役立つ NST重要ポイント集』(共編著、日本医学館)。

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